資源ゴミ置き場
あまり健全ではない文章を置いていく場所だと思います。
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苦し紛れの暗殺者(秋のElonaSS祭作品)
(注意書きのような何か)
1.この文章はとても虚言と歪曲に満ちています。主に虚空さんの過去について。
2.文中にややグロテスクな表現を含みます。閲覧はご注意ください。
3.本文はメインクエストが終了した後(ヴィンデール焼失後)くらいを想定して書いています。
2.文中にややグロテスクな表現を含みます。閲覧はご注意ください。
3.本文はメインクエストが終了した後(ヴィンデール焼失後)くらいを想定して書いています。
oh_simileのお題は「苦し紛れの暗殺者」です。できれば作中で「笑い声」を使い、『虚空を這いずる者』(ヴェセル・ランフォード)を登場させましょう。
どこかから笑い声が聞こえてくる。まるで私を嘲笑っているような声だ。
この声が聞こえてくる時、私はとても苦しそうな顔をしているらしい。そのことを、私を匿って身の回りの世話をしているという見知らぬ顔の女に指摘されたのは最近のことだった。
どうもその女は三年以上前から私の身辺の世話をしてきたらしい。
彼女はことあるごとに私に向けて「可哀相なあたしのヴェセル」と言っていた。
私の名前はヴェセル・ランフォードというらしい。そして、かつては「白き鷹」などと呼ばれていた記憶がずっと遠いところに残されている。
だが、今の私はその「白き鷹」という名を捨てた。今の私は病みやつれて薬漬けになった薄汚い病人でしかない。
今や私が私でいられるのは薬を煙管の中で燃やし、その煙を吸っている時だけだ。
その時の私はいつも目の前で自分にとても似た姿をした男が燃えて灰に変わっていく幻影を見た。
私は人が生きたまま肉を焼かれていく時の臭いを知っているが、その理由は語りたくもない。
薬の煙を吸っている時に現れる男は、肉が焼ける時特有の忌まわしい臭いを放つこともなくいつも真っ白な灰になって崩れ落ちた。
最初に燃える男が私の前に現れたのはいつだっただろうか。それはイェルスにいた頃だったように思う。
イェルスにいた頃の私は士官学校の寮にいた。士官学生だった私はありとあらゆる手段をもって優秀な成績を修めていたのだが、その最中に破綻はやってきた。
ある日、私は級友たちが奇妙な形をした管で何かの煙を吸っているのを目にした。
好奇心から何をしているのかと尋ねると、彼らは疲れが取れて気分が良くなる薬を吸っているのだと答えた。
彼らが毎日の苛烈な訓練を乗り切るためにその薬に頼っているのは以前からのことだったらしい。
その頃の私は訓練に疲れていた。そこで、級友たちの誘いに乗って薬に手を出してしまったのだった。
初めてその煙を吸った時、目の前に自分ととても似た姿の少年が立っているのが見えた。ただ、その少年は他人を利用することも厭わない冷酷な私と違ってとても優しい悲しげな目をしていた。
やがて、優しい目の少年は足元から少しずつ燃えて灰に変わり、悲しそうな顔のまま崩れていった。
私は、燃える少年の姿を眺めながらえも言えぬ解放感に浸っていた。
それからの私は訓練に疲れを感じるたび、級友と共に薬を吸って疲れを誤魔化す日々を送った。
だが、そんな日々は長く続かなかった。
ある日の夜、私はいつものように煙管で薬を吸って眠りに就こうとしていた。
その時だった。私が初めてあの笑い声を聞いたのは。
そして、声は私に命令したのだ。「自分の腹を触ってみろ」と。
声に従って自分の腹を撫でると、腹の中で何かが蠢いた。
自分の体内に蠢く得体の知れない存在を認めた私は、自分が悪魔の子を孕んでしまったのだという考えに行きついた。
――お前は悪魔を産み落とす。お前は悪魔を産むと同時に無残な死を遂げる。
声は私の頭の中へと直接語りかけ続ける。そして、声は恐怖する私に命令した。
――その腹を切り開いて悪魔の子を早く堕ろすんだ。
その声に従った私は自分の腹に刃を向けた。
部屋の見回りに来た士官学校の教官が腹から臓器を零して倒れている私を発見したのは次の朝だった。
部屋の見回りに来た士官学校の教官が腹から臓器を零して倒れている私を発見したのは次の朝だった。
医務室に運び込まれた私は処置を受けながら医師に何故自殺しようとしたのかと問い詰められた。
私が正気を失っていた時にしでかしたことは自殺と見られても何らおかしくない行為だったのだ。
私は自分が無意識に自殺を図ったことを認めたくないあまり、深夜に何者かに刺された、暗殺者が刺したに違いないなどと苦し紛れの見え透いた虚言を並べることまでしてしまったのだった。
いずれにしても、私が士官学校で訓練を受け続けることは不可能だった。
神経を壊し、深手を負った私は士官学校を辞めて自宅へ戻ることとなった。
それから数年後のことだ。私がイェルスを飛び出してザナンへ渡ったのは。
そして、私は今ザナンでの輝かしい地位を捨てて薄汚れた中毒患者に身を落としている。
いや、私はイェルスの士官学生だった頃から中毒患者だったのだろう。
そうして今日も私は忌むべき炎と薬で自分の神経を燃やしながら生きている。
また目の前に燃える男の幻影が見える。
その薄汚いローブをまとった男は灰になりながら、私に向けて笑みを浮かべた。
その顔はまるで煙管の中でくすぶる燃えかすのような私を嘲笑っているようだ。
私はこの男がとても憎い。狂おしいほどに妬ましくて仕方ない。
何故なら、私は炎に焼かれて死にたいからだ。私は炎によって大切な人を二度失った。大切な人はいともたやすく炎に抱かれながら逝ってしまった。
だが、私は今日も自分を煙管の中の小さな炎でちびちびと燃やし、屋敷や森を焼き尽くす炎に身を投げなかったことを悔やみながら未練がましく生きている。
煙管の中の炎は決して私を抱擁と共に焼き尽してはくれない。女に匿われながら酒と薬に溺れ続ける生活に希望がないことも分かっている。それでもそうするしかない。
また、あの笑い声が聞こえてきた。この笑い声は今日も私を苛み続ける。
それはいつかこの身が燃え尽きる日まで続くのだろう。
それまで私は緩慢に自分を焼き続ける。
いつか私が愛した二人のエレアの少女と同じ灰になれる日を夢見ながら――――。
*おしまい*
(あとがきのような何か)
虚空さんの鬱屈とか狂気と言えるものは炎と切っても切れない関係なのだと思います。レントンにとっての水と同じ関係。
イルヴァ資料館では虚空さんがアテランの学生だった頃に患った重病=身体の病とは語られていない。
アテラン然りザナン然り、あの手の規律が厳しい学校は訓練に耐えるために薬に走る人が多いイメージがあります。
でも、薬に頼らないと訓練に耐えられないような人間はあの手の場所には必要ない人間だという悲しい話。
それから、ヴィンデール焼失後の虚空さんはもう酒と薬で神経をズタズタにされてリアナのことも分からなくなっていそうなイメージがあります。薬物精神病も発症していそうな。
*おしまい*
(あとがきのような何か)
虚空さんの鬱屈とか狂気と言えるものは炎と切っても切れない関係なのだと思います。レントンにとっての水と同じ関係。
イルヴァ資料館では虚空さんがアテランの学生だった頃に患った重病=身体の病とは語られていない。
アテラン然りザナン然り、あの手の規律が厳しい学校は訓練に耐えるために薬に走る人が多いイメージがあります。
でも、薬に頼らないと訓練に耐えられないような人間はあの手の場所には必要ない人間だという悲しい話。
それから、ヴィンデール焼失後の虚空さんはもう酒と薬で神経をズタズタにされてリアナのことも分からなくなっていそうなイメージがあります。薬物精神病も発症していそうな。
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